英マンチェスターで始まるメタバーススタジアム建設
2021年年末日本のスポーツファンとしても気になるニュースが舞い込んできました。
ソニー、マンチェスター・シティと仮想空間で提携 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC309HI0Q1A131C2000000/
マンチェスターシティはソニーと「オフィシャル・バーチャル・ファンエンゲージメント・パートナーシップ契約」を結び、『次世代のオンラインファンコミュニティの実現』と『ファンエンゲージメントの最大化』を掲げ、今後メタバース空間での新たな体験創造を進めていくとのこと。
加えて、シティは2022年3月に仮想通貨取引所OKXともパートナーシップ締結を発表しています。
CITY ANNOUNCE OFFICIAL CRYPTOCURRENCY EXCHANGE PARTNER OKX https://www.mancity.com/news/club/manchester-city-official-cryptocurrency-exchange-partner-okx-63781936
詳細は公表されていませんが、パートナーシップは男子トップチームに限らず、女子チームへのスポンサードやeスポーツチームの運営まで至るとのこと。将来的なメタバーススタジアムにおける通貨としてOKSが採用されるかもしれません。
余り日本では報じられていませんが、同じマンチェスターの雄マンチェスターユナイテッドもTezosというWeb3/ブロックチェーン企業と提携して、”Digital Old Traford”を形作ろうとしています(仮想通貨Tezos(XTZ)の開発も行っており、ユナイテッドのトレーニングキットスポンサーも務めています)。
今後tezos上のスタジアムを核に様々なファン体験を提供していくとのこと。動画を見ると、スタジアム外観だけではなく、その内部や周辺エリアも再現されていきそうで、ファンとしては実現が待ち遠しいプロジェクトになっていますね。
Atlanta BravesのDigital Truist Park
現時点で最もメタバーススタジアム実現に近いスポーツチームがMLBのAtlanta Bravesでしょう。
epic games社のunreal engine(Fortniteなどで使用)を活用したDigital Truist Parkの建設を進め、ファンがアバター作成して、スタジアムを自由に動き回ったり、スタジアムツアーに参加したり、他のファンとメタバース空間上で交流したり、限定のアイテムを購入したりできるような場を提供しようとしています。
Digital Truist Parkの建設により、新たなスポンサーシップの獲得(メタバース内の壁面やピッチ内看板、周辺のブースなどでのアクティベーションなどなど)、クラブオリジナルのメタバースグッズ/アセット販売などに加え、将来的にはメタバースチケット販売(バーチャルな観戦体験チケット。席種によって見えるピッチの映像が異なる)など、従来のリアルスタジアムの事業に加わる新たなマネタイズの源を手に入れることが期待できます。
クラブの新たな収益源になれるか?
これまでのリアルベースのスタジアムは巨額の投資を必要とする一方で、稼働率の低さが課題になってきました(例えばサッカーのスタジアムの場合、構想〜建設に数百億円・5~7年前後を必要とし、稼働日は年に50日程度のケースも多い)
どれくらいの時間・コスト感でメタバーススタジアム実現に至るかは、まさに今回見てきたケースを継続してチェックしていきたいところですが、これまでのリアルスタジアムに比べると、間違いなくチーム側の負担は小さくなるはずです。
また、今後メタバース市場が拡大し、バーチャルな空間での消費時間が長くなるとすると、メタバースクラブの建設によって、クラブは試合日に囚われない収益源を獲得できるのではないかと思います。
例えば、クラブの限定コンテンツ(練習映像・インタビュー映像・その他クラブハウス内のbehind the scene 的コンテンツなど)を楽しむ権利をクラブトークン/NFTと紐づけて提供し、熱量の高いファン同志の交流をバーチャル上で想像することができれば、新たな収入源としてもマッチデーに向けた盛上げ施策としても一役買うのではないでしょうか。
コメント